【ウメオについて】
ウメオ市は首都ストックホルムの北方約500km、北緯63度に位置し、あと数百kmで北極圏というヨーロッパでもかなり北に位置します。当然夏は白夜に近く、真冬は日照は2、3時間になります。
人口は約10万人で主要産業は大学!というだけあって市の平均年齢は30歳代と大変若い町です。
他の都市への主要交通機関は近郊はバス、遠距離は飛行機となります。(列車は一日1〜2便程度) 飛行機はキルナやバーサ(フィンランド)への小型機がある以外は全てストックホルム便です。他の都市へはストックホルム経由となります。(日本からだとコペンハーゲン(または他の欧州主要空港)→ストックホルム→ウメオと2回乗り換える必要があります) ウメオ−ストックホルム(アーランダ空港)往復は正規では4000SEK近くしますが、現地の代理店では(時期によりますが)1500SEK程度で買えることがあります。
ウメオの空港はダウンタウンから6km程度と近く、バスで30SEK、タクシーでも120SEK程度です。
積雪量は札幌と同程度のように思いますが、寒さはより厳しいです。幸いにして私の居たとき(2000年)は暖冬で札幌と変わらぬ生活を送れました。(それでも寒いときでは−30℃には下がりました) 冬が厳しい分、夏は爽やかなはずです(例年は)。 2000年は世紀末にして今世紀最大の降雨とやらに見まわスウェーデン南部では洪水で家は流されるやらで、残念ながら7月は晴れた日が片手で足りるほどしかないほどでした(泣)。
【大学の環境】
日欧の大学の設備や環境の違いについては言い尽くされていますので、いまさらの感がありますが感想だけ。
とにかく建物が立派で研究室、講義室、共用設備とも広いです。スウェーデンでは授業料は無料なので、なお驚きます。さらに研究を支援するスタッフが研究者より多いぐらいいて効率が極めて良いです。例えば細胞毒性試験をするとします。いつから実験を始めたいか、どの細胞がどのくらい必要か、などをアシスタントに伝えると後は培地、試薬の手配から細胞の予備培養まで行ってくれて、私は実験開始日に自分の材料を持って行くだけです。実験中の培地交換もアシスタントがやってくれますので、私のやることは試験する材料の用意(これも細かい加工は技師の方がやってくれました)と、最後の細胞毒性評価だけです。短い実働時間で多くの成果が得られる理想的な実験環境でした。(変に気を使って途中の過程を自分でやろうとするのは、アシスタントの仕事を奪ってしまう、更にはその人を信用していないと受け取られかねないのでやってはいけないと言われました)
これでは日本に帰りたくなくなりますねぇ。
【生活情報】
北欧は物価が高いとよく言われます。確かに電化製品などは日本よりかなり高いようですが、食料品については野菜、肉(牛肉)、乳製品については日本と同等かむしろ安いように思います。覚えている限りで物価など;
米:1kg10〜20SEK(うるち米タイプは安くて10SEKで買える。日本より安いです) 牛乳:1リットルで5〜7SEK (乳脂肪分により、低脂肪ほど安い) チーズ:結構良質のものでも1kg100SEKも出せば十分。チーズ好きにはたまりません。 卵:12個で25SEK程度 (これは日本より高いですね) 牛肉:もちろんピンキリだがキリでは100gで4〜5SEK(挽肉) 野菜:玉葱、ジャガイモなどは1kgで10SEK程度 日本では高いパプリカ、生マッシュルームが安い。 (ただ、マッシュルームをkg単位で価格表示するのはやめて欲しい)
日本食材では米はどこの店にもあります。Jasmin Risという長粒米とGru:t Ristといううるち米に近いもの両方が売られています。醤油は大抵のスーパーでキッコーマンの小瓶を売っています。また日本では見かけなくなった出前一丁が容易に手に入ります。(但し、色んな味があって中には日本人向きでないものもある。緑かピンクのパッケージなら日本のインスタントラーメンと同じ)店によってはインスタントみそ汁もあります。ストックホルムでは豆腐なども売っているらしいですが、さすがにウメオにはありません。私が日本から持っていって重宝したのはカレーやシチューのルー、ふえるわかめちゃんと乾燥ネギ(ラーメン用)などです。
お酒はスーパーで売って良いのはライトビール(2.5%以下)のみ。あとは国営酒場での購入となり、場合によっては身分証明の提示が必要で、値段も高いです。ライトビールはむちゃくちゃ安くて500mlで4〜5SEK程度(ジュースの半額)。コクがないので美味しくないと言う人が多いですが、ビールは喉越し!という私には結構合いまして毎晩晩酌をしていました。(特にFALCONが美味)料理の味付けは油っこくて濃いめです。関西人にはちょっと濃いです。むしろノルウェーの方が日本人向きかも。(スウェーデンの人はノルウェー料理を味がしないと言って笑いますが)
写真はスウェーデン(北部?)でポピュラーなケーキの一つでプリンセスケーキと呼ばれています。